グーグルが2016年に発表したモバイルファーストインデックスについてざっくり紹介します。
【記事のレベル:★】
「モバイルファースト」「モバイルファーストインデックス」とは何か
「都民ファースト(都民を第一に考える)」「アメリカファースト(アメリカ第一主義)」など、〇〇ファーストというコトバを聞きますね。同じように「モバイルファースト」というコトバがあります。感覚的にはわかりますが、他人から「それっていったいなに?」と聞かれたときに、上手に説明するのは意外と難しいかもしれません。
「モバイルファースト」とは、モバイル(スマホやタブレットなど。今回はスマホを例に説明します)を使う人の操作性を優先することです。Webサイトやソフトウェアのデザインをスマホからの利用を前提として設計、制作する概念を指します。
もともとWebサイトはパソコン向けに作ったものをスマホ向けにアレンジしてモバイル専用ページとして表示しなおしたり、パソコンと同じページをレスポンシブWebデザインでスマホ用として表示していました。
しかしスマホからWebサイトを閲覧する人が増えたことから、多数派であり、かつ画面サイズや通信面で制約が多いスマホユーザーのことを考えて作ったほうが合理的です。
グーグルではスマホユーザーが利用しやすい「モバイルフレンドリー」なサイトを推奨し、スマホで利用しにくいサイトは検索結果の順位を下げるような変更を2015年から行うようになりました。
2016年末には、いままで検索ランキングを決めるためにパソコン版のWebページを評価していたものを、今後、モバイル版のWebページを評価するようにすると発表しました。これが「モバイルファーストインデックス」と呼ばれるものです。スマホサイトが基準になるこのグーグルの方針は、今までパソコンサイトを重視していた方にとって方向転換を求めるものでした。
主役はスマホに。自社サイトを見直すきっかけにも
2017年4月時点では、モバイルファーストインデックスはまだ導入はされていません。準備に時間がかかっていて2017年後半~2018年以降になるという予測もあります。
→Googleモバイルファーストインデックス導入は2017年ではなく2018年にずれ込む可能性も(海外SEO情報ブログ)
スマホ版とパソコン版で同じURL、同じコンテンツを表示しているレスポンシブWebデザインのサイトは影響がないと言われています。「わが社はワードプレスでレスポンシブWebデザインにしているし、関係ないよね」と思う方もいるかもしれません。でもふだんは会社のパソコンで自社サイトを見ているので気づかないだけで、スマホで自社サイトを見てみると、「意外と見にくい(使いにくいなあ)」と感じるかもしれません。
モバイルファーストインデックスの発表によって、今までスマホを意識していなかった会社も自社のスマホサイトのデザインやコンテンツを見直すきかっけになるのかな、と思います。
(研究調査部 中狭亜矢)
関連イベント
モバイルファースト時代のSEOとサイト運営【2017年5月18日(木)開催】
スマホで検索し、ソーシャルメディアで情報収集するようになったユーザーに向けて情報発信するためには何を意識すべきか。SEO、データ重視のサイト運営、ソーシャルメディア活用について3社からトレンドや実践事例を聞く。