メディアビジネスの未来を担う人材育成–団体受験制度の活用
今週末8月30日に第44期DTPエキスパート/第20期クロスメディアエキスパート認証試験が開催されます。今期も多くの企業の方々が団体受験制度を活用して試験に臨まれ、取得後の活躍を期待されています。
DTPエキスパート認証制度は、印刷メディアの制作・製造工程の技術変革に対応した人材育成の一環として、その工程の標準化を主な目的として普及・発展してきた。しかし今日のメディアの多様化に伴い、印刷以外のメディアをも包含したコンテンツ管理、ディレクション能力にも比重が置かれるようになってきた。
これまで印刷メディアが担ってきた役割を他メディアが代替する、あるいは代替以上の機能を持つ状況にあって、印刷メディアに携わる企業がビジネス領域の拡大、あるいは業態変革を迫られている。つまり、これまでのような制作・製造工程における技術変革への対応のみならず、現在は、メディアそのものの変容に伴うビジネスモデルの変化への対応を求められている。
企業としての取り組みの必要性
新ビジネス領域(既存ビジネスからの拡大)を担う人材が必要となるということは、人材育成が経営課題に直結するということである。 個々人の取り組みは知識やスキルの向上にはつながるが、企業としての取り組みを推進することによって、身に付けた知識やスキルをベースに、人事評価・配属などとの兼ね合いによって高いパフォーマンスを引き出すことが可能となる。 企業として本制度に取り組むことにより、
- 社員に対し、自社事業の方向性や知識基準を的確に示すことができ
- 新事業領域に必要となる未知の知識をやみくもに求めるのではなく共通認識として学んでもらうことができる
という大きなメリットがある。
新事業領域については自社内ではなく専門企業と連携する方針をとるとしても、外部人材との連携には社内外問わずプロジェクトのコンセプトを明確に共有するために、共通認識が必要となる。さらに提携に際して主体的にプロジェクトを遂行しイニシアチブをとって業務拡大を目指すには、社内キーパーソンの存在意義は大きい。
本制度は、各種メディアを用いる目的のところから関わり、そのプロジェクトにおいて必要となる各種メディアの制作を実現し、効果測定をするところまで、つまりメディアを用いた目的達成を導くエキスパートとして活躍する人を想定している。
JAGAT CS部 丹羽 朋子