なぜ受験ををおすすめするのか―学びの手段として最適な資格制度
多くの企業で採用しているJAGATエキスパート団体受験制度は、教育手段としての資格受験が効率的で明確な学習効果をもたらすと理解されているからである。
過日、第45期DTPエキスパート認証試験および第26期クロスメディアエキスパート認証試験の合格発表を行った。DTPエキスパートの合格率は45.6%、クロスメディアエキスパートの合格率は33.0%でいずれの試験も受験者の半数以上は資格取得には失敗したということになる。もちろん合否には受験者それぞれの思いと相まって一喜一憂があり、合格するに越したことはないと言えるかもしれないが、受験に向けて学び努力したという事実は残るのであり、不合格が受験者にとって無駄な結果であったということでは決して無い。
両エキスパート資格とも、業務独占資格ではない以上有資格者になることが目的ではなく、ゴールでもないことはたびたび申し上げてきた。であるならば、受験対策として実際に学びのプロセスを経てきたことが重要であり、なにより受験を決意し、頑張るという姿勢を評価したいところである。
JAGATのエキスパート資格受験者の多くが、団体受験という企業単位で一括申請する制度を利用している。前期のDTPエキスパートは全受験者239人中110人(46.0%)、クロスメディアエキスパートでは109人中76人(69.7%)が団体受験である。これほど多くの比率で団体受験者がいるということ、すなわち自社の教育制度、または方針として資格受験を取り入れているのは、資格取得そのものが目的ではなく学びの手段として非常に有効に活用できるとの判断がなされているとみて間違いないであろう。
以下に、なぜ学びの手段として資格受験が最適なのか理由を述べる。
1)カリキュラムにより学びの範囲、目標が明確になっている
ただ「勉強しろ。これからは学習が大切だ!」と号令をかけるのはもっての外であるが、資格試験であれば公開されているカリキュラムに試験範囲が明示され、どのような知識、スキルが求められているか理解できる。そしてカリキュラムはJAGATの研究調査活動を通じて、時代の変遷とともに業界にとって必要な人物像、求められる役割を集約したものであるといえる。例えばDTPエキスパートの最新カリキュラムは、印刷メディアに求められる役割だけでなく、その製作ノウハウにより拡大可能なエキスパート認証者の活躍範囲を想定して、必要となる知識を新分野として設定している。印刷物そのもののもつメディアとしての強みと、印刷物製作ノウハウにより、他メディアへの展開においてもアドバンテージを獲得するという方向性である。それが自社の方向性とも合致するのであれば、社員教育の学習ツールとして最適であろう。
2)学習期間の設定が容易
年に2回の試験日が決まっているので、メリハリの効いた、あるいは集中的な学習が可能である。ダラダラと時間を無駄にすること無く効率的な学習機会が得られる。
3)様々な学習ツール、機会がある
受験対策用に各種参考書やセミナー、通信教育、模擬試験問題などが用意されているので、それぞれの理解度、進捗度に応じて学習方法を組み合わせることが可能。
4)試験により達成度、学習成果が明確化される
冒頭に試験結果は評価の全てではない旨を述べたが、合格という明確な判定はやはり達成感と今後のモチベーションにもつながり、たとえ不合格であっても次のステップ(どうすべきか)が理解しやすいであろう。
以上、なぜ受験をおすすめするかの所以である。次回DTPエキスパート認証試験、クロスメディアエキスパート認証試験は8月21日(日)が試験日である。受験を決意し、受験に向けての学習を始めるタイミングとして十分な時間がある。
(CS部 橋本 和弥)
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