DTPエキスパートの効果的な学習方法
DTPエキスパート認証制度の現状
DTPエキスパートは、JAGATが1994年に創設した。「よい印刷物をつくる」ために必要なDTP・印刷の知識を体系化し、その知識を習得したことを認証する制度である。
つまり、試験の合格を目指して学習することで、結果的にDTP・印刷の実務に必要な知識と技能を身に付けることができる。ただし、その内容は実務に直結しており、進歩の早い分野であるため、2年間の期限付きの認証となっている。2年後には更新のための再認証が必要となる。
創設以来23年、年2回の試験を実施しており、2016年夏には第46期試験をおこなった。合格者の累計は既に26,000 名を超えている。
【学科試験】
・「DTP」「色」「印刷技術」「情報システム」「コミュニケーション」のカテゴリー
【実技課題】
・与えられた素材データを使用し、与えられたテーマにしたがって作品(DTPデータ)と分担作業のための「制作指示書」を制作する。
実際に、業界の内外でたいへん多くのDTPエキスパートの有資格者が活躍されている。DTP制作の現場だけでなく、営業・企画担当、印刷部門、管理職、経営者まで幅広い層に渡っていることが特徴である。
JAGATでは、DTP・印刷業界唯一のスタンダードな資格制度として十分な実績を上げ、認められていると自負している。
DTPエキスパートの効果的な学習方法
DTPエキスパートの学習方法として、もっとも手軽・安価なのは参考書・関連書籍である。書籍であれば入手してすぐに取りかかれるし、時間さえあれば、いつでもどこでも学習することができる。
以下に、お薦めの書籍を紹介する。
『DTPベーシックガイダンス』2016年6月(JAGAT刊) DTPエキスパート対策講座のレジュメをもとに誕生した。豊富な図版とわかりやすい解説により構成されている。初めてDTPエキスパートにチャレンジする方にとって、効率良く学べる参考書となるであろう。 難易度★★☆☆☆ |
『DTPエキスパート認証試験スーパーカリキュラム』2015年7月(マイナビ刊) カリキュラム第11 版に準拠した詳細な解説書であり、ボリュームも充分である。用語解説や過去問題の他、実技課題試験対策編も掲載されている。 難易度★★★★☆ |
『DTP&印刷スーパーしくみ事典 2016』2016年2月(ボーンデジタル刊) DTPや印刷物に携わるすべての人に役立つ図解事典であり、印刷業界のスタンダードな事典として普及している。 活字や写植などのアナログ工程からオフセット印刷、インクジェットなど最新のデジタル印刷テクノロジー、フォントや文字コード、色彩の原理やカラーマネジメントの仕組みなど、広範囲かつ詳細に解説されている。 DTP・印刷関係者であれば、日頃から身近に置き、参照されることをお奨めしたい。 難易度★★★☆☆ |
(CS部 千葉 弘幸)