2018年度の抱負
2017年度はJAGATの歴史の中で、50周年という節目の年だった。2018年度に迎える節目としては8月26日(日)のDTPエキスパート試験が丁度50回目となる。50回も続く事業というのは、それだけでも差別化できるものだが、JAGATには自慢できるものが数多くある。今年は50回目(25周年)に相応しく、DTPエキスパートの更なる充実を目指して参ります。
最近のJAGAT四半世紀(25年間)は、デジタル化に抗うのではなく、デジタル化を積極的に推進し、印刷ビジネスを拡大する方針で進んできた。その一つの指針としてDTPエキスパートがあったのだが、デジタル化の標準化には大きな力になったと自負している。
そのDTPエキスパート認証試験も50回目を迎えるまでになったのだが、その間に色々な改革をしてきた。大学入試は若者の可能性を考査する試験だが、DTPエキスパートは社会人のための試験であり、大学入試とは目的が異なっているべきものである(とJAGATでは考えている)。
実務についての知識はもちろんなのだが、社会人としての能力で重要なものは、短時間でユーザーからのクレームや質問、要望の本質を理解して、ズバッとその疑問に答えるという能力が大事である。その能力を試験で問うには長文問題が最適であり、長文問題は充実したいと思っている。
DTPエキスパートも長文を出題した時代もあったのだが、当然反発も買うので、その反発に負けて、少なくしてしまった経緯があるのだが、再度増やしたいと準備している。それも設問数を増やして、長文問題を無視できないようにしようと考えている。
試験慣れしている人は配点を読んで、長文を捨ててしまう場合も多かったのだが、長文を無視しては合格できない配点にするつもりである。それくらいに実務能力は長文試験が重要だと考えている。
受験者には決して暇な人はいないはずだ。その忙しい人たちが時間を割いて勉強するのだから、絶対に役立つ試験にしたいというのがJAGATの使命である。仕事だって「仕事が終わって、さぁ自分の時間だ。楽しもう!」というスタンスは理解できるが、仕事自体を楽しまない手はない。仕事を楽しむか楽しまないかでは、人生大きな差だと思う(私が仕事を楽しんできたので、皆さんにも楽しむことを強く願ってしまう)。
長文以外に、DTPエキスパートは啓蒙問題を数多く出題してきた。今後「デジタルマーケティングと結びついた設問」や「なぜ毛抜き合わせが必要か?」「なぜ淡い色の下地は抜かなければいけないか??(抜き合わせ)」等々、問題を読んだだけでも理解が深まるような啓蒙的問題を数多く出していきたい。
Web(加算混合)と印刷(減算混合)の表現方式差にも言及したいと思っている。黒地に淡色の煙がたなびいているような図柄では加算混合は美しいが、減算混合だとどうしても汚らしくなってしまう(表現は素人っぽいが、かえってわかりやすいと思うので)ので、それなりのデザインは必要なのである。こんな一昔前だったら常識的なことも啓蒙問題として取り上げていきたいと思っている。
その内、デジタル印刷がほとんどになって、ドットゲイン管理も完ぺきになれば、RGB運用で全く問題なくなると思うのだが、それまではわかる人間だけででも管理していかねばならないと考える。その時DTPエキスパートには期待されるのは必然である。
今年のイベントとしては、昨年も行った「夏フェス2018」を2018年8月22日,23日に中野富士見町のJAGAT本社で開催する予定である。IGAS直後なので、IGAS総括的なイベントを計画しているが、今年一年の指針としては「デジタル×紙×マーケティング」を一つの柱としてイベントを実施したいと考えている。
この指針に沿って、翌年のpage2019まで突っ走っていきたいと思っている。どうぞよろしくお願い申し上げます。
(JAGAT専務理事 郡司秀明)