普及が進むオンライン学習ツール

掲載日:2024年6月21日
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運転免許更新時のオンライン講習

個人的な話で恐縮だが、2024年3月に運転免許の更新手続きを行った。ご承知のように、通常の更新手続きは都道府県の免許センターか警察署での手続きが必要である。

案内が来て初めて知ったが、講習区分「優良」を対象に「オンライン講習」が可能だという。調べてみると、2022年頃より全国では「北海道」「千葉」「京都」「山口」で、モデル事業として実施されており、2024年度以降に全国展開するようだ。

筆者は千葉県在住であり、更新タイミングが当該期間に当たるため、そのような案内が来たのである。
(※千葉県では2024年5月時点で「優良」「一般」が対象)

運転免許の更新・交付手続きそのものではなく、「講習」だけのオンライン化である。しかし、自宅で時間の制約なく、休日でも夜間でも受講できる。当日の交付手続きも簡略化されるため、十分にメリットを感じるものであった。

「オンライン講習」は、最低限、マイナカード+スマートフォンがあれば受講できる。スマートフォンでマイナカードのICチップを読み取り、受講者の本人確認をおこなう仕組みである。また、内容を正しく理解しているか、簡単なテストが数回、組み込まれている。

免許更新手続きの1部がオンライン化することは、ある種のDX(Digital Transformation)ともいえる。将来的には免許証とマイナカードの一元化、免許申請費用の支払いなどとの連携、あるいは手続きすべてをオンラインで完結する可能性もある。

今後、さまざまな分野でこのようなオンライン化、DXが進展することは確実だろう。

検定・試験で導入が進むCBTとIBT

検定・試験などでも、各地のテストセンターに設置されたパソコンを利用して受験するCBT(Computer Based Testing)、自宅などからリモートで受験できるIBT(Internet Based Testing)の導入が増えている。IBTはWBT(Web Based Testing)と呼ばれることもある。

CBTとIBT、WBTという名称自体は、ほぼ同等の内容を意味している。どちらの仕組みも、コンピューターとインターネットを使っており、違いは明確ではない。

違いが明確な言い方に置き換えるならば、指定された会場に出向き、本人確認した上で入場し、用意されたパソコンで受験する方式が「会場型CBT」だといえる。受験者が意識することは少ないが、複数の監視カメラにより、不正行為などがないことをチェックされている。

また、場所やデバイスを特定せず、インターネット経由でログインし、何らかの方法で本人確認を行い、受験することは、「リモート型IBT(WBT)」といえる。

既に、さまざまな資格・検定で「会場型CBT」や「リモート型IBT」が導入されている。例えば、「英検」や「日商簿記」のように厳密な本人確認が必要な資格等は「会場型CBT」が多く、より広い対象向けの検定などは「リモート型IBT」が多い。

近年では、AI監視機能や顔認証などを利用して厳密な試験運営を行うリモート型IBTも可能である。

資格・検定では、これらのように本人認証・不正防止が重要課題となるが、さまざまな手法で対応されつつあり、今後はリモート型IBTの利用が広がる可能性がある。

オンライン予備校・学習ツールの普及

近年は、小中高生や受験生向けの映像配信を中心としたオンライン予備校(サブスクリプション型の学習サービス)が著しく成長し、普及が進んでいる。代表的なものに「スタディサプリ」「東進オンライン学校」などがある。

これらのサービスでは、インターネット環境で授業の映像配信し、テキストが配布され、ドリルやテストなども実施できる。塾や予備校に通う必要がなく、自宅などで学習できる。

有名講師など、質の高い授業を全国どこからでも、都合の良い時間に受講することができる。
通学が不要のため、勉強時間を増やすこともできる。スマートフォンだけで完結できるため、すき間時間を活用して、電車内などで学習することも容易である。

自分のペースで進められるため、苦手分野などを重点的に学習することも可能である。また、従来の塾・予備校と違い施設・建物が必要なく、比較的費用が安価である。
従来の塾・予備校などが、これらのデジタル学習ツールに置き換わり、主流となる可能性もあるだろう

また、社会人向けの英会話や資格試験向けのサブスクリプション型オンライン学習ツールも、多数提供されつつある。教育・トレーニングの分野でも、リモート学習ツールの利用が広がっていくことが想定される。

DTPエキスパートとオンライン学習

DTPエキスパートの学科試験は、2024年3月より会場型CBTに移行した。初回ながら、全国41ヶ所のテストセンターが使用されている。つまり、地方での受験ニーズが存在していたことが改めて認識されることとなった。

試験会場が遠いため、受験を見送られていた方が、改めてチャレンジしたいとなるかもしれない。おそらく、今後も徐々に会場数が増えていくこととなるだろう。

また、近日中にDTPエキスパートのオンライン学習ツール(ドリル方式)を提供する予定である。パソコンやタブレット、スマートフォンによって、すき間の時間を活用した学習に対応できるようになる。

(JAGAT研究・教育部 千葉 弘幸)

【CBT方式完全対応eラーニング教材】DTPエキスパート学科問題演習ドリル | JAGAT