第56期DTPエキスパート認証試験講評
2021年8月開催試験講評を掲載しています。
第56期試験は、2021年8月22日(日)全国6会場および指定講座2会場、合計8会場にて行った。新型コロナによる緊急事態宣言下での開催となったが、感染危惧による受験延期(次回への振替)を直前まで受け付ける対応をとった。13名が受験延期したものの、当日は大きな混乱なく実施にいたった。
マイスター認証(学科と実技)を目指す受験者が全体の45%程と、前回、前々回より微増した。
学科合格でエキスパート認証を獲得したのち、段階的にアップグレード試験(エキスパート認証者が実技試験のみ受験しマイスター認証へのアップグレードを目指す方式)に取り組む人が増えたためと思われる。アップグレード受験者の実技合格率は77.8%と全体合格率47.2%に比べて大幅に高い。実務経験者でない方は、段階的に着実に制作スキルを身に付けていく方法として今後こうした方法も検討していただきたい。
学科試験
学科試験では、下記の項目が新出題された。(学科合格率:59.6%)
-
制作コンセプト
-
個別原価計算とスマートファクトリー
-
広色域印刷
-
欧文組版とローカライズ
-
Illustratorの機能
実技試験
旅行会社が発行する会員向け月刊会報誌の連載ページを題材として出題した。
ターゲットとなる会員は30代から50代、連載記事の目的は、旅を提案することとし、210 × 280 mm 右綴じ右開き縦書きの見開き2ページを支給素材(本文およびキャプションのテキスト、写真を6点、イラスト(地図イラスト)を1点、ロゴデータとQRコードデータ各1点)を基にデザインレイアウトする。
記事の内容は、連載1回目として「ドイツのガラス建築」を紹介しつつ、各地を巡る旅を提案している。発注側からの要望として、「大人向けの洗練されたイメージ、写真をふんだんに使い、ガラスからイメージされる透明感のある雰囲気を演出すること」という要件を示している。
採点に際しては、要項に記載のある「メイン写真3点を組み合わせて大きく配置すること」という点について、効果的なアイキャッチとなるように実現できているかどうか、連載タイトルと記事タイトルを適切に表現できているかどうか、という点がデザインレイアウト項目の評価に影響した。
さらに、各写真に付随するキャプションの入れ方にも工夫の有無の差異が現れた。写真が記事の中心的役割を担う内容であり、そのキャプションも文字量の多い課題だったため、キャプションの配置が適切かどうかは全体の評価に影響する比重が大きかった。
支給素材の内容を吟味し情報構造を的確にとらえて組版に反映できるかどうか、という点も問われた。
合格者の提出物は、上記の点に確実に対応できており、かつ右ページから左ページへ読み進めることを前提とした視線誘導にも配慮したものになっている。デザインレイアウトのセオリーを抑えることで対応可能な点であるため、要項記載の内容を確実に把握することとともに、今後の参考にしていただきたい。
第56期実技試験作例
(あくまで制作の一例です。今後この作例を模倣しても合格に至るとは限りません。)
DTPエキスパート認証委員会
資格者在籍企業一覧掲載
エキスパート有資格者が所属する企業を掲載しています。自社人材の力量を知っていただく方法としてご活用ください。
掲載承諾をいただいた企業様のみ掲載しています。
掲載ご希望の場合は、JAGAT資格制度事務局(e-mail: expert@jagat.or.jp)までご連絡ください。
次回DTPエキスパート認証試験
第57期試験 2022年3月13日(日)東京・大阪・名古屋・福岡
および指定講座会場にて開催
●第57期用最新模擬問題
2021年11月末発売予定
●学科ポイント解説2日間講座
2022年1月~2月 開催
●実技ポイント解説講座
2022年2月開催
※詳細は、近日公開いたします。