新項目出題の背景と次期試験に向けて

掲載日:2021年12月9日
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DTPエキスパート学科新問題の傾向を掲載しています。

DTPエキスパート認証試験の出題範囲は、

  • デスクトップパブリッシングに関する全般知識
  • 色の認識や特性に関する知識
  • 印刷技術全般に関する知識
  • 印刷物製作を支える情報システムに関する知識
  • 印刷物によるコミュニケーションに関する知識

を網羅する。

毎期の試験で新項目、既存項目のリファインを含め全体の約2割が新たな出題となる。

2021年8月に実施した第56期試験では、下記の5項目を中心に新出題を行った。

制作コンセプト

印刷物においてデザイン性の比重が高まっている。何を目的として成果につながる印刷物を制作するか、を正しく認識して臨むことが重要である。そのためには、デザイン制作の趣旨やコンセプトを明確にし、文書化して関係者間で共有することが必要となる。

これを踏まえ、マイスター実技試験では、課題与件に対する「制作コンセプト書」の提出を求めている。

印刷物製作に携わるあらゆる立場の方にこの点の理解は重要であるため、学科試験においても制作コンセプトの重要性や文書化することの意義を問う出題をしている。

個別原価計算とスマートファクトリー

近年、中小印刷業では個別原価管理を徹底し、利益確保することを「見える化」と称し、その意義や重要性が提唱されている。

スマートファクトリーは、デジタルデータの活用による製造プロセスの自動化という側面とともに、製造情報の一元化による「見える化」の一端を担う。

これらの基本的な考え方と知識を問う出題を行っている。

広色域印刷

オフセット印刷では、以前から6~7色の多色印刷や広色域インキを用いた広色域印刷が行われていた。

ただし、高コストで大量部数が前提となるため、広くは普及していない。デジタル印刷であれば、少部数でも広色域の色材を容易に使用できるため、RGBデータ入稿による広色域印刷が実用的である。コミック同人誌などでは、これらを「RGB印刷」と称して、利用が広がっている。

これまでの取り組みの推移とともに、現時点での実用性を含め、トレンドを知るべく出題している。

欧文組版とローカライズ

和文、欧文、特殊言語などの文字種に応じた組版の他、各地域独自の文化、習慣、法律への対応のための表記の変更、情報の出し分けなど全般をローカライズという。

近年Webではマルチリンガル対応のサイトが増加している。印刷物でも各地の言語に対応したローカライズ版、多言語対応を求められる場面が想定される。

これらを踏まえ、欧文組版における常識とDTPアプリケーション上の対応方法について、ポイントを知るための出題を行った。

Illustratorの機能

DTP関連アプリケーションは、独自の機能により表現の幅が広げられる一方で、機能特性を把握せずに安易にデータを扱うことで、不確実なデータとなる危険もある。

代表的なグラフィックデータ制作アプリケーションであるAdobe Illustratorに関し、基本的なアピアランス機能、バージョン間の互換性、多ページ物を制作する際の制約事項、限定的な日本語組版機能、近年リリースされたiPad 版について出題している。


上記を含む新問題の詳細は、最新の第57期用公式模擬問題で確かめることができる。

また、次回2022年3月13日開催第57期試験の新出題項目は、2022年1月中旬に本Webサイト上に掲載する予定だ。

JAGAT資格制度事務局

次回DTPエキスパート認証試験

第57期試験 2022年3月13日(日)東京・大阪・名古屋・福岡 および指定講座会場にて開催

第57期用最新模擬問題 12月7日発売
●学科ポイント解説講座
2022年1月29日(土)開催DTPエキスパート学科ポイント解説<オンライン開催>
●実技ポイント解説講座
2022年3月開催予定