【DTPエキスパートカリキュラムver.12】[DTP]1-10 法令

掲載日:2016年11月1日
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各種メディア制作にあたり、関連する法令について把握しておく必要性を理解する。

1-10-1 知的財産権

  • 知的財産権は大きく「知的創造物についての権利」と「営業標識についての権利」の2つに分けられる。「知的創造物の権利」は主に著作権、営業秘密、特許権、実用新案権、意匠権があり、「営業標識の権利」は商標権、商号、商品表示・形態等がある。これらの権利には、対応するそれぞれの法律があり、印刷物と密接なのは「著作権」や「商標権」である。
  • 画像、イラストを含むDTP制作物はデジタル化され、簡単にコピーできる状態にあるため、デザイン会社、印刷会社とも著作権がどこに帰属しているのかを明確にして、トラブルを回避できるようにしておく必要がある。
  • 商標は商法で定める商号とは異なり、商品やサービスにつけられる。商標は特許庁に届け出て認可されることで、商標権者はその商標を独占的に使用することができる。
  • 著作権の発生する著作物を扱うメディア制作において、使用コンテンツが著作権に配慮すべきものである場合は適切な対応が必要となる。

➢ インターネットにおける著作権

  • インターネットにおける「公衆送信権」は、著作権法第23条の1項で、「1. 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては、送信可能化を含む)を行う権利を専有する。 2. 著作者は、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有する」と定められている。
  • 「送信可能化」とは、インターネットサーバーにデータを置いて、アクセスがあれば閲覧できる状態にあることを指す。
  • 「権利を専有する」とは、著作者の承諾なしに他人が勝手に人の著作物をインターネット上で公開してはならないことを指す。

1-10-2 個人情報保護法

  • 個人情報保護法は、個人情報の有用性を配慮しつつ、個人の権利、利益を保護することを目的としている。
  • 個人情報保護法の対象となる個人情報とは、下位から個人情報(氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの)、個人データ(個人情報データベース等を構成する個人情報)、保有個人データ(個人情報取扱事業者が開示、内容の訂正、追加又は削除、利用の停止、消去及び第三者への提供の停止を行うことのできる権限を有する個人データ)の3つに分類され、上位にいくに従ってそれぞれ個人情報取扱事業者の義務が追加されていく。
  • 印刷会社では、クライアントから名簿を受注するなどして、個人データを預かる場合も多いので、個人情報の取り扱いに関するマニュアルを作り、個人情報が外部に漏れないように厳重な管理と従業員教育をしておかなければならない。また、苦情や問題が発生した場合の窓口と責任者を明確にしておく必要がある。