2016年にスタートしたVoicy(ボイシー)は、音声に特化したメディアとしてファンを増やしています。スマートスピーカー時代に新たな情報発信手段として注目されているボイスメディアについて紹介します。
(※本記事は2018/11/7記事の再掲です)
インターネットで情報発信する手段はWebサイトやブログ、SNSへ文字や動画を投稿するのが一般的ですが、最近では音声で情報発信するメディアが改めて注目されています。ITベンチャーのVoicyは、「音声×テクノロジーでワクワクする社会を作る」というビジョンのもと、ボイスメディアという新たなジャンルでサービスを展開しています。
音だけで個性まで伝える「声のブログ」
ボイスメディア「Voicy」は、さまざまな分野の専門家がパーソナリティ(配信者)として音声で情報発信する投稿型のメディアです。2016年9月の開始以来、順調にユーザーを増やしており現在チャンネル数は200以上、20代後半から40代前半がメインユーザーとして利用しています。Webとアプリ、スマートスピーカーで利用可能です。
Web版
アプリ版
配信しているのは経済、社会といったビジネス系の話題のほか、スポーツ系、グルメ系、エンタメ系、専門家の裏話など。パーソナリティが自由に話をするので、株式情報や日々の天気、ITニュースと並んで気軽に頼めるトーク番組的な内容まで、多様なラインナップが揃っています。
ライブ配信ではなく録音した音声で、1チャプターは10分以内がほとんど。ユーザーはスキマ時間や寝る前など、好きなタイミングで気軽に聞くことができるようになっています。
従来の音声メディアとしてはラジオがあり、録音した音声を楽しむという点ではポッドキャストと似ています。
Voicyでは編集された整った音声やプロが話す正確な声よりも、雑音が混じっていても加工や編集がされていない声を配信することで、パーソナリティの個性を最大化し既存音声メディアとの差別化を図っています。パーソナリティの背景や素の姿を感じられる「生の声」を届けることから「声のブログ」とも呼ばれ方もされています。
出版社、新聞社も音声コンテンツ発信に参入
2017年には国内でもスマートスピーカーが発売になり、音声コンテンツに対する需要が急激に高まっています。Voicyへも企業が有料チャンネルを開設し始め、声と相性が良いラジオだけでなく、新聞社、出版社、証券会社らが参入しています。
VoicyではGoogle HomeやLINE Clova、Amazon Alexaと連携しているのでVoicyを通じてスマートスピーカーにも配信できるのも企業にとって大きなメリットでしょう。
また影響力のあるインフルエンサーや有名ブロガーも新たな情報発信媒体として活用しだしています。2018年からは、個人のパーソナリティのチャンネルにスポンサーが付けられるようになっており、新たな広告メディアとして、またパーソナリティが収益を得る手段としても動き始めています。
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スマートスピーカーの登場や生活者側の変化によって、2019年は音声を使ったサービスが活発化していくと考えられます。Voicyのように音声に特化したサービスは、利用する側にとっても、新たなユーザー接点として音声を活用したい企業側にとっても、今後の可能性に期待が集まっています。
(JAGAT 研究調査部 中狭亜矢)
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