YouTubeやInstagram、Twitterなど、スマホでの動画視聴が日常的になりました。SNSやニュースアプリで目にする広告も動画形式が増えていることに気づきます。
動画広告は主にスマホ向け
サイバーエージェントは「2018年の動画広告市場は1843億円の見込み、うち85%がスマホ向け」との調査結果を2018年11月に発表しました。1843億円はどれくらいかというと、ざっくりインターネット広告費(1兆7589億円)の10分の1くらい。または雑誌広告費(1841億円)と同じくらいの規模感で、思ったより大きいと思われた方もいるかと思います(※電通「2018年(平成30年)日本の広告費」参照。別調査同士の比較なので参考です)。
動画広告は多くの人に見てもらえる、静止画よりも情報量が多く印象に残りやすい、といった理由から今後も増加が見込まれています。
専門スキルがなくても動画が作れる時代に
動画広告が増えたことで、短期間で安価に動画コンテンツを制作したいというニーズが企業側に生まれています。それに対してクラウド型で専門知識や専用ソフトがなくても扱える動画制作・編集ツールが登場しています。
動画制作事業やVTuber事業を行うカクテルメイクが開発・提供する「RICHKA(リチカ)」は、テンプレ―トに合わせて画像やテキスト素材を当てはめて動画を作れるサブスク型の動画生成ツールです。100種類以上あるテンプレートから自分の用途に合ったものを選ぶことができ、手順通りに作業すれば動画が作成できるというスキルレスが特長。代理店を中心に利用を増やしています。
スマホ向け動画広告配信やオウンドメディア事業などを行うオープンエイトでは、AI自動動画編集サービスの「VIDEO BRAIN(ビデオブレイン)」を開発・提供しています。同社はスマホ向け動画メディアの「LeTRONC(ルトロン)」を運営しており、社内制作効率化のために開発したAI技術を一般向けに転用してクラウド型のサービス提供を始めました。ユーザーが写真やテキストなどの素材をサーバーに登録して時間やサイズなどの項目を指定するとAIが自動で動画を編集・制作してくれ、観光協会や自治体などでも利用されています。
ほかにもソニーネットワークコミュニケーションズと総合PR事業を行うベクトルとの合弁会社SoVeCが発表したAIを活用した動画自動作成エンジンや、電通グループが開発したチラシの画像データとテキストから音声付きYouTube動画を自動生成する「Dynamic3(ダイナミックスリー)」などが次々と発表されており、時間やコストを抑えて動画広告を制作する流れが活発になっています。
(JAGAT研究調査部 中狭亜矢)
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