地域情報の収集、加工発信を通して地域活性に貢献する印刷会社が増えている。地域情報を取り扱う中で地域の魅力を再発見、地域ブランディングを実行する3事例から、地域情報をブランディングに生かすコツを探る。
地域で活動する企業や自治体、地域住民などが協力して新しい産業を生み、自らが地域を活性化する「地域活性ビジネス」に関心が集まって久しい。近年は、国の重要施策に取り入れられ、2014年には「まち・ひと・しごと創生本部」が設置されるなど、その動きは顕著になっている。印刷会社においても例外ではない。 2014年7月に実施した「印刷会社の地域活性化に関するアンケート」を見ると、回答企業の約65%がなんらかの地域活性ビジネスに取り組み、そのうち6割以上が「地域活性ビジネスの割合が増えている」と回答した。現在の取り組みで最も多いのは、「工場、会社見学の受け入れ」だが、次点は「地域情報のポータルサイト」、「フリーペーパー(無料)の発行」と、印刷会社がこれまで蓄積してきた様々なノウハウを生かし、地域情報を収集・編集・加工、地域活性に一役買いながらビジネス化している会社が多い。 本セッションでは、地域情報を「フリーペーパー」という形に編集・加工・発信、地域がもつ歴史や文化、知られざる魅力や可能性を地域内外に伝え、「フリーペーパー+@」で地域ブランディングの底上げに尽力する3社の事例を紹介。ディスカッションを通して、地域活性ビジネスにおける印刷会社の優位性を明らかにするとともに、地域の魅力を高めるトピックの見つけ方、魅力的な地域情報の取捨選択方法、地域ブランディングに繋げていく手法などを議論する。 【鹿児島ブランディング情報誌『Region』・渕上印刷】 新たな鹿児島の可能性を探り、「開かれた地域」という名を持つ地域ブランディング情報誌。鹿児島で意欲的な活動を行う人物や企業、鹿児島ならではの商品や技術にスポットを当てて紹介。鹿児島の情報に強い印刷会社としての強みを生かし、企画・取材・デザイン・印刷のすべてを行う。日本タウン誌・フリーペーパー大賞2014「レジャー・観光コンテンツ部門」最優秀賞を受賞。 【文化情報誌『ふうど』・タカヨシ】 新潟が誇り、次世代や全国に伝えたい風土や文化、産物、技術などを取り上げて紹介。単なる郷土紹介だけでなく、地元の人も知らない、驚くような新潟の新たな魅力を掘り起し、新潟が持つ郷土文化の素晴らしさを再認識してもらうことを目的に、地域の第一人者への取材を通して記事化している。 【『のんびり』】 秋田からニッポンのびじょんを考えるフリーマガジン。秋田にはうまい飯と酒があり、その豊かさが秋田の実直なものづくりを支え、秋田の人々のなかには大らかで力強い『のんびり』精神が育まれた。順位など気にせずのんびり歩いてきたことがまさに『ノンびり』となる時代がやってきた昨今、ビリだ一番だ。上だ下だ。と相対的な価値にまどわされることなく自分のまちを誇りに思い、他所のまちも認め合う。そんなニッポンのあたらしい “ふつう” を秋田から提案している。 ■関連記事:印刷会社における地域活性ビジネスの現状~JAGAT「印刷会社と地域活性vol.2」レポートより(1)
このセッションの参加費は、17,000円 です。