カンファレンス
グラフィックス
場所:ワールドインポートマート5F
2月4日(木)
15:45〜17:45
【G4】電子コミック革命
<電子コミックの現状と表現手法、紙媒体との差別化、新人育成、将来のコミック環境>
電子コミックの市場が急成長している。無料のためし読みサービスやアプリ型コミック雑誌、無料コミック配信アプリなど新たな手法が登場している。今後の電子書籍の先行指標でもある電子コミックを取り上げる。
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電子書籍市場は前年比30%増という急成長を続けており、2014年には1,200億円を超えている。しかし、その約80%はコミックが占めている。つまり、国内の電子書籍をリードしているのは電子コミックと言える。
現在流通している電子コミックは、過去に紙媒体として出版されたコンテンツの電子版がほとんどであるが、新たな動きが始まっている。
comicoは、電子コミック専用に書き下ろされた新作を配信する無料コミック配信アプリである。アマチュアが作品を投稿し、読者がクチコミで評価するシステムとなっている。人気作品となると紙媒体で出版されるため、新人作家の登竜門として確立しつつある。
スマホで読まれるための「縦スクロール」方式が登場し、自由度の高いコマ割りの作品が生まれている。読者にとっても、操作が直感的でストーリーに集中しやすく、定着している。
既刊コンテンツの電子版を扱うコミックストアでも、無料のためし読みサービスやアプリ型コミック雑誌など、新たな媒体や手法が続々と登場している。
また、セルフパブリッシングの動きも進展している。鈴木みそ氏は、早くから自身のコミック作品のKindle版を販売し、成果を上げている。最近では、クラウドファンディングによって出版資金を集めるなど、積極的に活動している。
電子コミックは従来の紙媒体コンテンツの電子版だけではなく、新たな媒体として生まれ成長しつつある。電子コミックを取り巻く環境は、今後の電子書籍の先行指標と言えるかもしれない。電子コミックの現状や紙媒体との差別化、新人育成、表現手法、セルフパブリッシング、将来のコミック環境などを議論する。
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このセッションの参加費は、16,200円 です。
お申し込みセッション数によって割引があります。
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橋場 一郎
(はしばいちろう)
NTTデータ、リクルート、楽天を経て、 2012年よりKADOKAWAグループのブックウォーカーへ。電子書籍サービスの開発からビジネス全般に携わる。また、これまでには情報視覚化、地理情報・位置情報サービス、検索エンジン、電子マネー、ポイントシステム等のテーマに携わる。
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大藤 充彦
(おおとうみつひこ)
ゲーム開発にてデザインディレクター職を経たのち、ゲーム開発プロジェクトのマネジメント改善業務に従事。その後現職にて新規事業企画や外部アライアンス等を担当。
中小企業診断士/二級知的財産管理技能士/一級販売士。
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鈴木 みそ
(すずきみそ)
10代で出版業界にバイトとして入り、編集、ライター、ゲーマー、イラストレーターを経験。東京芸大中退後、24歳でビッグコミックスピリッツに持込み、漫画家としてデビュー。
2013年、出版社を通さずにKindleで電子書籍を個人出版。1000万円販売した作家として注目される。
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まつもと あつし
(まつもと あつし)
モデレーター
ITベンチャー・出版社・広告代理店などを経て、現在フリーランスのジャーナリスト・コンテンツプロデューサー。
ASCII.JP・ITmedia・ダ・ヴィンチ・毎日新聞経済プレミアなどに寄稿、連載を持つ。
著書に「知的生産の技術とセンス」(マイナビ/@mehoriとの共著)「ソーシャルゲームのすごい仕組み」(アスキー新書)など多数。
取材・執筆と並行して東京大学大学院博士課程でコンテンツやメディアの学際研究を進める。https://about.me/a_matsumoto