2月4日(木) 13:00〜15:00
---------------------------------------------------------国の重要施策の1つに数えられる「地域活性化」のなかで、交流人口の増加、経済活性化の両面から特に注目されているのが「インバウンド」である。このインバウンドの分野において早くから取り組みをはじめ、様々な知見と成功事例を生み出しているのが、チケット販売で有名な「ぴあ」と地図の会社というイメージがある「昭文社」である。 両者とも、インバウンド事業に取り組む一つの契機となったのは、自社に蓄積された豊富なコンテンツの利活用を模索していた点にある。例えばぴあには、イベントや観光、食に関する情報コンテンツが、昭文社には、地図情報や観光情報があった。それらを今後増え続けるであろうインバウンドをターゲットに再編集し、新しいビジネスを生み出すことを考えた。 その後ぴあは、「JAL×ぴあ日本達人」をはじめインバウンド向けの観光・ショッピング情報を掲載したフリーペーパーを各種発行している。また、その中で得た経験や知識を生かし、インバウンド向け販促キャンペーンの企画運営、中国人やタイ、マレーシアなど、国別クリエイティブのコンサルティングなと事業領域を広げている。 昭文社は、インバウンド向けに、日本観光案内アプリ「DiG JAPAN」を開発、対象国別Facebookページを立ち上げるなど、「旅前」の情報収集に力を入れるインバウンドのニーズに沿うよう、SNSを上手く活用した取り組みに注力している。2015年には社内にインバウンド専用の独立した部署を立ち上げ、中国や韓国、台湾やタイなどの外国人スタッフを採用した。 一方、国内観光の分野で現在注目を集め、今後インバウンド向けにも大きな可能性を秘めているといわれているのが、「ニューツーリズム」である。ニューツーリズムとは、ニューツーリズムとは、従来の物見遊山的な観光旅行に対して、これまで観光資源としては気付かれていなかったような地域固有の資源を新たに活用し、体験型・交流型の要素を取り入れた旅行の形態だ。 近畿日本ツーリストグループのティー・ゲートが運営する「旅の発見」は、ライフスタイルが多様化する旅行者のニーズに合わせ、旅先や日帰りの楽しい過ごし方を提案する、「日本最大級のテーマ別・予約型トラベルサイト」だ。現在1万件以上のプログラムが登録されているが、プランの提供者は旅行会社だけではない。自治体関係機関や地元観光協会、NPOなど、地域の魅力を深く知る様々な提供者がいるため、多彩なプログラムが生まれているのだという。 本セッションでは、自社に蓄積された情報コンテンツをインバウンド向けにアレンジし、うまく利活用しながら先行事例を作り続けるぴあの宮崎氏、昭文社の鶴岡氏、そして、ニューツーリズムの成長を牽引するティー・ゲートの甲斐氏に取り組み内容を紹介していただく。自社に蓄積してきた地域コンテンツを今後どのように活用し、新たなビジネスチャンスの獲得や地域活性の実現を模索する印刷会社にとって、ヒントと刺激に溢れたセッションを開催する。